2017年3月27日月曜日

価値について考える

今回は価値について考えていきたいと思います.
価値の元々の意味は,『ある物事がどれくらい役に立つかという度合いやその値打ち』のことです.
しかし,価値を厳密に考えると,”自分にとっての”という自らの感性を出発点として必ず生まれています.そのため,自分にとって絶対的な価値を感じていても,他人が同じように価値を持っているとは言えません.
また,全ての価値は目的や関心,欲望,さらにはある契機(きっかけ)といったものによって生じてきます.


例えばですが,1つ100万円と値がついたダイヤモンドを高いと思うか安いと思うかは人によって異なり,その人の心身状態や関心によってもたらされます.
また,単純に食べ物の好みでいうと,今は焼肉が好きだと思っていても,焼肉を食べた後ではアイスクリームが好きだと思っているかもしれません.もっと自分の好みに合った料理に出会うと,それが好きと思うようになっているかもしれません.

このように,価値には自分にとってのという感覚を前提として,自分の心身状態や関心,あるきっかけによって,その都度変化していくものであると言えます.
少し難しい言い方だと,契機・志向相関的に価値が決まっていくと言えます.

また,人間関係のこじれる原因として,価値観の違いが挙げられると思います.
極端に考えると,誰かと同じ価値の感覚を持つということは,その人と全く同じ心身状態で,同じ生活や経験をしないといけないということになります.そんなこと現実的には不可能ですよね.
そのため,人間関係を良好に過ごしたいと思うのであれば,誰かと同じ価値観を持つことを目指すのではなく,価値観は元々人によって違うのだという前提に立って考えなければいけません.
その上で,人の価値観を尊重することやその基盤となっていることを理解すること,それと同じくらいに,自分の価値観の基盤となっていることを相手に理解してもらえるように努めることが重要です.

最後に,達成動機(目標達成するためのやる気)においての価値を考えたいと思います.
自ら行動することや頑張りたいと思えることには,潜在的にそのことに対して価値を持っているはずです.そして,その価値は契機・志向相関的に変化していくはずです.
そのため,今自分が目標にしていることは,本当に自分にとって価値があることなのかを度々振り返ることや軌道修正を図る必要があります.
または,努力が徒労にならないように,簡単に価値が変化してしまわないような目標設定を行うことが要になります.

そして,その目標は本当に自分が主役の人生を送るためのものになっているかという観点から,自分の価値判断に則って考えてみてください.
ある人のアドバイスを鵜呑みにして頑張るということは,その言葉に価値を置くのではなく,それを言う人自体に価値を置いているのかもしれません.
無意識的に誰かの価値を叶えようとするのではなく,自分にとっての価値を反映させられるようにしてくださいね.

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