2017年3月7日火曜日

幸せになるための条件

幸せだなぁって感じられる時ほど,なぜ自分が幸せなのかを深く考えることはあまりないですよね.
逆に不幸が舞い込んできた時ほど,何でこうなったんだと自分を顧みて悩んでしまうかもしれません.
誰もが幸せな時ほどその感覚に浸っていたいし,不幸せな時ほどすぐにそこから抜け出したいと切に思いますよね.つまり,不幸から抜け出すことは考えるけど,幸せを感じられるためのシンプルな条件には気づきにくいのです.


幸せや不幸せといった感情は自分の感覚でしかありません.
そのため,幸せを感じられるための条件として,(1)欲望の閾値(=満足する基準)を下げる,(2)欲望を叶えるための能力を上げる,(3)欲望の内容を変える,ということがあります.
(1)欲望の閾値を下げるとは,極論を言うと”生きてるだけでまるもうけ”の状態になるということです.自分に命があって,呼吸が行え,太陽や景色を見れるだけでも良かったと思えれば,いつでもどこでも何度でも幸せを感じられます.
このように,自分が叶えたい欲望よりももっと根本的な大事なことに気づき,それを優先させることで実行できます.

(2)欲望を叶えるための能力を上げるとは,今の自分よりももっと欲望を叶えられる可能性を広げるということです.この能力には,必ずしも自分自身の体を動かすことだけではなく,人とのコミュニケーションや物事を深く考える思考なども含めたあらゆる技術があります.
ここで大事なのは,がむしゃらに頑張るのではなく,欲望を叶えるためにはどんな技術を高めれば良いのかを見分けることです.

(3)欲望の内容を変えるとは,叶えたい欲望自体を変えてしまうということです.今の欲望を我慢するということではなく,自分はどのような欲望に生きる意味を見出すことができるのかを明らかにし,そこに対して一歩ずつ前進できる感覚を得るということです.
そのためには,自分はどんな時にどんなものに喜びや嬉しさ,生きがいなどの関心が向きやすいのかを意識することです.この関心の向きやすさは,自分の心身状態やきっかけによって変わってしまうので,幸せを感じたい時こそ改めて欲望の変更をする必要があります.

とにもかくにも幸せは自分の感覚だからこそ,自分で見つけるしかないんですけど,そのコツを掴んでおくことが重要ですよ.

この自由や幸せについての考えは,苫野一徳さんの著書「自由」はいかに可能か―社会構想のための哲学でとてもわかりやすく書かれています.
ぜひ読んでみてください.

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