2017年6月11日日曜日

多職種連携の強み

”多職種連携”やチームアプローチが叫ばれる昨今で,僕もすごく大切にしてきたつもりのキーワードです.
理屈や実践の中では,1+1を2以上のものにできるのが多職種連携の強みだよなぁと考えてきましたが,何かいまいちピンと来ない部分があるのも正直な感覚でした.


先日参加した無理しない地域づくりの学校では,社会福祉士の方や社会福祉協議会の方が多い中でも,職種を問わず現在の地域や仕事での関わりにおいて色々な心配事を抱えている人が集まっていました.
その中では,ある人がプレゼンする地域課題のテーマについて,その方に対するアドバイスや批判を行うのではなく,参加者みんなで考え合ってその課題に取り組んでいくというような学校でした.
そのため,時には一緒になって悩み,地域のことを調べることもあるし,一緒に新しい取り組みに参加したり,自分の持っている人脈を紹介することもあるとのことでした.

人と人とが集まっている地域では,ものすごい多様性にあふれていて,誰もが導き出せる唯一の正解というものがない.だからこそ,地域にあるその心配事に目を向けられている人が一緒になって考えていかないといけない.
校長先生のお言葉では,「あなたについて(about-ness)のアドバイス・批判・査定はいらない.あなたと共に(with-ness)考え合う私,でいてほしい.あなたと私が共に成功する解決策(成解)を作っていくしかない.」という関係性によって,心配事は大きくも小さくもなるとのことでした.
これは,地域に限ったことではなく,人と人とで構成させる人間関係あるいは社会を対象にした支援の全てに共通することだなと感じました.

最近,自分とは異なる職種の人や異なる個性の人と知り合う中で,自分には持ってなかったモノの見方や捉え方,発展のさせ方など,いわゆる感性に触れ合うことができているなと思います.そうすると,本当に多様に自分の考え方が広げられているなと感じます.
もちろんそこにある人間関係も自分とは全く違い,そこで繋がった人脈によってまた新たな感性に触れることができています.

本当に一人の力,一つの職種だけではできないことが多く,自分とは異なる他者や他職種の力が,自分にはない知識や発想,人脈を持っていて,自分では思いつかない様な方法を作り上げていける.またそこから派生して,第3・第4の方法を生み出していけることが1+1を2以上の力にできるということだと実感できました.

そういう根本的なことに気づき,多職種連携の原理が見えたような感覚になれました.
そうなんです,単純に一人ではできないなら他人の力を借りれば良いんです.あなたと私で一緒に考え,作り上げていけば良いんです!