2017年12月1日金曜日

「リハビリテーションに関する達成動機尺度」の紹介と使用方法について

私は病院で作業療法士として働くようになり,3年目から大学院修士課程に進学しました.
大学院とはもちろん,科学や研究とは何たるかを学び,さらには自分自身もあるテーマについて研究を行い,論文を書くということを行っていくところです.
私は大学院に進学しようと思ったきっかけは,人の「やる気」ということに興味があったためでした.

大学院では達成動機をテーマに研究を行い,恩師である京極真先生の指導のもと,リハビリテーションにおいても達成動機を評価することのできる質問紙(Scale for Achievement Motive in Rehabilitation:SAMR)を開発しました.
今回はこのSAMRについて,質問紙と面接を用いた使用方法について紹介します!

恩師である京極真先生の趣味で作ってもらったお気に入りのロゴ
SAMRの使用マニュアルと面接法についての資料はこちらからダウンロードできます↓↓
SAMRマニュアル
SAMRの面接法

ほとんどのことは上記のマニュアルと面接法に詳細を記載しています.
大学のオープンキャンパスなどで参加してくださった高校生やその保護者の方々にもこのSAMRの評価を体験してもらうことがありますが,やる気が出ないことやなかなか行動が持続しないことって誰にでもあるので,障害の有無に関係なく結構共感してもらいやすいこととして受け入れられていると感じます.

SAMRの特徴としては,10項目に対してどれくらい自分に当てはまるかを自己評価してもらいます.
その合計得点によって自分の達成動機の程度がどれくらいかがわかります.また,自分自身が成長することを重視しているのか,達成するまでの過程や方法を重視しているのか,という傾向を把握することができ,その傾向に合わせて支援内容や声掛けを工夫していきます.
さらに,面接法を行うことで目標達成を行いにくくしている原因を探っていきます.
面接法では,①質問紙に回答する時にイメージしていた目標,②その目標を達成するために必要な自分の行動,③その目標を達成するために手伝って欲しい人と内容,について尋ねていきます.
①〜③のそれぞれについて,思い付かなかったり具体的でない場合に,それぞれについての支援が必要となる可能性が高いと思われます.
①に問題がある際には,まず本人が価値を感じられる目標を具体的に設定していく必要があり,その人の将来像を一緒に考えていってあげると良いでしょう.
②に問題がある際には,達成までの道のりを具体的に示すことや目標を常に意識できるようなポスターを作ったり,日々の成果を確認できるような工夫が必要となると思います.
③に問題がある際には,目標と現状を一度冷静に確認することや本人にとっての物的・人的環境がきちんと整っているかを評価することをお勧めします.

このSAMRは,ぜひともリハビリテーションの場面で担当の対象者さんに使ってもらいたいですし,自分自身や周りの人がやる気が出なくて困っている時などに使ってもらいたいと思います.

使用方法で不明な点などがあれば,気軽に連絡してくださいね!
連絡先: sanokichi09094@gmail.com

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